「暴力団と同じ」なのは誰だ

もうなんだろうな、この人は。

http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010030201001065.html

http://www.47news.jp/CN/201003/CN2010030301000347.html

http://www.asahi.com/kansai/sumai/news/OSK201003030067.html


「金を出してやるから、こちらの条件を呑め」というわけか。
無償化の対象から外すというのが差別だといってるのに、その差別を政府が実行することの是認(支持)を前提とした上で、それに乗じて、金を餌に自分の要求を飲ませて相手を言いなりにしようという魂胆。そう言われても仕方がないよ。
それこそ「暴力団と同じ」(暴力団の方々には失礼だが、知事の言葉を引いて)なんじゃないの?


無償化の対象から除外するということが、どういう意味で当事者たちの心を傷つけてるのかということが、この人にはまったく分かってないんだよ。
たんに金の問題ではない、っちゅうの。
そんなことも分からないのか、情けない。
元来無償であるべきものを、恩着せがましく条件付で無償ということにしてもらって、誰が本心から喜ぶのだ。



普天間の基地を関空に移設するという話と同じで、中央政府に対する、自治体なり自分自身なりの存在感を示したい、という思惑も当然あるんだろう。
そういうものに、沖縄の人の心や、在日の人、また子どもたちの心情を利用してることにもなってる。
「子どもたちを泣かせたくない」って、この男の「善意」はいつもながら軽い、いや暴力的だよなあ。





それでも、学校が政治的な背景から切れることや、朝鮮にかかわりのある人たちが拉致問題なり国内の人権問題について(今回は、橋下はこちらには一言も触れてないようだが)働きかけることは望ましいではないか、という人もあるだろうから、付言しておく。


前者について。
朝鮮学校はもちろん朝鮮「国立」の学校ではない。そもそも日本政府が差別的な態度をとることなく、旧植民地出身の人たちに対する補償の意味も含めた対応をしていれば、経済的にも特定の国からの援助も必要としなかっただろう。
朝鮮学校の先生たちは、日本で育つ子どもたちのために、どの国の政治にも介入されないような最善の努力をしているはずである。それを「政治との結びつき」というのなら、日本の学校(色々な出自・条件の子どもたちがいるだろう)から日の丸や君が代を全廃してから言えというのだ。


後者について。
政治的な発言は、無論自由になされるべきだ。とりわけ、自分の国の政体に関しては(といっても、朝鮮を「自分の国」と考える保護者・関係者がどのぐらい居るのか、ぼくは知らない)。
だが、橋下の言ってることは、強要である。(金が欲しかったら)ある特定の態度をはっきり表明せよと、脅しているのだ。
人は、明確な行動や言動によってのみ、権力に対する不服従を行うとは限らない。まして、政治家による態度表明の強制という眼前の、いっそう忌まわしい権力の行使を目にしている時ならば。