ソフトバンクがオーマイニュースに出資

メルマガPUBLICITYで知ったこのニュースは、さすがにちょっとびっくりした。


堀江貴文も以前に、物議をかもしたこのインタビューのなかで、オーマイニュースに関心を示していたし、こうしたスタイルが日本に持ちこめないかとかんがえてる人は少なくないのだろうとは思ってたが、実際に経営面で手を組んでしまうとは予想してなかった。
ソフトバンク側よりも、オーマイ側の意図が、ぼくにはみえにくい。


せっかくこのブログのアンテナにも入れてあるので、久しぶりにオーマイのサイトをのぞいてみると、その件の記事があった。
http://www.ohmynews.com/articleview/article_view.asp?at_code=312442


内容は、ソフトバンク側の発表とおおむね同じだが、そちらに書かれていない部分を抜粋して訳してみる。

オーマイニュース 70%、 ソフトバンク 30%の持分で出発するオーマイニュース・インタ−ナショナルは、その最初の事業として、今年 8月までに日本で日本人市民記者たちが参加するインターネット新聞 <オーマイニュース・ジャパン>を創刊する計画だ。<オーマイニュース・ジャパン>は、日本の市民たちに 「マルチメディア市民参加プラットホーム」を提供することで、日本の言論界に WEB 2.0時代を先導する新しいメディアを出現させる予定だ。


WEB 2.0時代」って、なんだろう?
ともかく、オーマイニュースとしては、自分たちの言論のスタイルを世界に広げることを目指していて、その足がかりとして日本にも進出し、またソフトバンクの豊富な資金力を活用しようということなんだろう。
オーマイは、日本の感覚だと完全に「運動圏」系のメディアで、韓国の市民運動というのは、アメリカの大統領選挙のときとか、ムンバイの世界社会フォーラムとか、香港のWTO会議のときにも明らかだったように、自分たちの主張やスタイルが世界中に広がらないとどうにもならん、と思ってる人たちが多いから、この動きはそういう意味でオーマイのオーディエンスには支持されるかも、とは思う。


でも、ソフトバンクとこういう形で手を組むというのは、日本では出てこない発想だよなあ。
オーマイニュース・ジャパン」というのが、どんなメディアになるのか、想像がつかない。
堀江貴文は、政治は日本では商売にならない、みたいなことを言ってたけど、たしかに韓国でオーマイのような市民運動系のメディアがあれだけ成功してるのは、そういう報道へのニーズが社会にあるからだ。その点は、日本とは土台が全然違う。
ニーズがあるから独立メディアが商売として成り立ち、そこで食っていけるから優秀なスタッフも集まる。社会全体に、運動的なもの、オルタナティブなものへの関心が薄い日本で、同じやり方は成立しにくいだろう。
それに、ソフトバンクが発言力を持つということになると、商売的にも、政治的にも、韓国のような言論のスタイルでやるというのは、なおさら難しいだろうと思う。それは、現在のヤフーのニュースの流し方をみても。
まあ、結局は日本の現状にあった、政治性の薄いものになるのだろうが、それでも現状の大マスコミよりは、ずっとましなものが出来るかもしれない、とは思う(堀江がやってたら、いい意味で破壊的なものが出来たかも、とも思う。)。


オーマイの場合、軸になるような論説的な記事は、市民運動などの専門家が寄稿している。「〜記者」となってるけど、そういう立場の人で、たとえば核や軍縮の問題だったら、日本でいえば梅林宏道とか川崎哲とかにあたるような人が書いてるわけだ。
オーマイニュース・ジャパン」が、韓国に近い形をとるのだとすると、そういった人たちの広範な協力がえられるだろうか。そのへんもちょっと疑問がある。
とにかく、成り行きが注目される。