2005-08-01から1ヶ月間の記事一覧

どこへ行くホリエモン

自民党の「刺客」として選挙に立候補したことで、「ホリエモン」の評判がすこぶる悪い。ニッポン放送買収騒動のときには支持した人たちも、今回はあまりの軽薄さ、金儲け主義ぶり(民営化後に、外資と組んで参入し荒稼ぎする狙いだ、と言われている)にそっぽ…

衆院選雑感

明日、衆議院選挙が公示される。 民主党のような政党にだけは、絶対投票したくないと思ってたが、今回に限っては小泉の独裁を阻止するという意味で、民主に入れるということもありなのかなあ、と思う。 特に小選挙区では、何党であろうと、与党以外で当選し…

浅薄なもの

巨人の監督はナベツネがやればいいと思う。 きのうのエントリーでは、日本と韓国の「改革」とナショナリズムみたいなことを書いたわけだが、滅茶苦茶荒い論理展開だったなと、自分でも思う。 だいたい現状への不満(つまり、改革の意志)と結びついてないナシ…

小泉と盧武鉉の「改革」

「郵政民営化」と日本の役割の変化 今度の選挙では「郵政民営化」ということが争点だと自民党やマスコミは言ってるが、ぼくは民営化されると「かんぽの宿」とかがなくなってしまいそうなので、民営化には反対である。 だからということだけではないが、「小…

『泥棒日記』

このところ、ジュネの『泥棒日記』を読んでいるが、これはたしかにすごい。泥棒日記 (新潮文庫)作者: ジャンジュネ,朝吹三吉出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1968/10/02メディア: 文庫購入: 6人 クリック: 186回この商品を含むブログ (41件) を見る わたしが…

『ヒトラー〜最後の12日間〜』

平日の昼間だったが、満員の盛況だった。結構評判になってるらしい。 この映画については、「独裁者を美化している」という批判もあったと聞くが、別にそういう印象は持たなかった。どこにでもいる卑小な人間としてのヒトラーが描かれていて、それはぼくが予…

『アウシュビッツは終わらない』

今週はNHKで、イギリスのBBCとアメリカのテレビ会社が共同で作った、ナチスのホロコーストに関する番組を放映していて、ぼくはそのうち何本かを見た。 とくに印象的だったのは、アウシュビッツで勤務していた元親衛隊員のおじいさんの話で、この人はいまだに…

靖国をめぐって、ちょっとした感想

靖国の問題を取り上げた番組が、8月15日前後にテレビ各局で多かったようだが、なぜかまったく見る気にならなかった。 ただ神社の前でインタビューを受けていた若者が、「自分の頭で考えようと思って来ました」と答えてるのを聞いて、単純に「いいことだな…

韓国のセミ

夕方、大学の構内を歩いていると、聞いたことのない妙な音がしきりにするので、あれは虫の声かと韓国の人にたずねると、セミの声だ、と言った。 先日、韓国に行ったときの話だ。 その音は、虫の声というより、機械の音のようにも聞こえ、ともかくセミだとは…

「その河をこえて、五月」

14日の夜、教育テレビの「芸術劇場」の枠で放送された平田オリザとキム・ミョンファ作の演劇『その河をこえて、五月』を見た。 職場の人と電話で話していて偶然教えてもらい、テレビをつけたら始まって20分ぐらいしたところだった。 ソウルの河原で、現…

柳ヶ瀬ブルース

66年に発表された美川憲一による大ヒット曲。 もちろん子どもの頃からこの曲を知っていたが、ぼくが人前で機会があるとこの曲を歌うようになったきっかけは、数年前に韓国のある山深い場所で、日本で長く暮らしていたことのある韓国人のおばあさんと二人で…

『リンダリンダリンダ』

夕方五時は恐ろしい。 見終わって、「ぶった斬られた」と思った。この映画は、観客を斬り捨ててしまう映画である。その意味は、見終わったとき、自分はなにか大事なものを見落としたのではないか、たいへんな誤解をしているのではないか、といった不安に襲わ…

夏の休業

暑中お見舞い申し上げます。 明日から韓国に行くので、更新を数日休みます。 韓国には、以前はよく行っていたが、ここ二年余り行ってなかった。7年前、はじめての海外旅行も韓国だった。金浦空港からソウルの市街に入ると、ちょうど雨があがったばかりの夕…

「明け方の猫」補足・夢への抵抗

きのう書いた感想への補足。 いつもアップしてから、大事なことを書き忘れていたことに気がつく。 主人公が見ている「夢」とは、抽象的な思考や記憶をとおしてしか世界と関われない人間の生きている現実のあり方をあらわしているように思える。 というか、人…

「明け方の猫」

だいたい猫は軽々とできることしかしない生き物なのだ。(74ページ) id:sumita-mさんが以前紹介しておられたので、保坂和志の『明け方の猫』(中公文庫)を買って読んだ。 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20050722 表題作について。 この作品は、明け方見た…

富の再分配再考

このところコメント欄に、富の再分配ということについて心ならずも書き続けているが、制度のことについていうと実はぼくも、福祉国家全盛の時代にあったような国による社会保障の体制が再び強化されることには疑問がある。 税とか社会保険といった国の機構に…