2005-05-01から1ヶ月間の記事一覧

年金制度再考の基本

最近、いわゆる無年金訴訟に関して、二つの判決が相次いだ。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050518-00000020-maip-socihttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050525-00000120-mai-soci前者は、制度上の不備に原因があると考えられる国民年金未加入を理…

『やさしくキスをして』

もう紫陽花が咲いている。 ケン・ローチ監督の映画、『やさしくキスをして』を見た。 イギリスのグラスゴーを舞台に、カトリックの学校で教えるアイルランド系の女性と、パキスタン移民でイスラム教徒の男性との恋愛を描いた作品。 ローチ監督の映画は、以前…

9条解釈の記事

27日の憲法9条についてのエントリーを「テルセキの自由広場」さんにトラックバックしたところ、そちらのコメント欄で、この条文の明快な解釈が示された記事の存在を教えていただいた。 「今日の憲法問題」さんの以下のエントリーが、それ。 驚くべき明晰…

憲法9条・戦争放棄・権利と義務

このところ、憲法に関するエントリーについて、コメントやトラックバックをいくつかいただいている。教えていただいたり、基本的な部分を考えなおすきっかけになって大変ありがたい。 そのなかで、5月15日の記事のコメント欄に、玉川さんとおっしゃる方が…

最近買った本のこと

みなさん、コメントやトラックバックをくださってありがとうございます。 なかなか迅速に対応できないんですが、よく考えて答えや感想を述べたり、記事に反映させていきたいと思います。 こちらの記事の一節。http://hiro551.exblog.jp/1965414 本当は選択肢…

『働くということ』その6労働の新しい意味

ロナルド・ドーア著・石塚雅彦訳『働くということ』働くということ - グローバル化と労働の新しい意味 (中公新書)作者: ロナルド・ドーア出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2005/04/25メディア: 新書購入: 10人 クリック: 193回この商品を含むブログ (70…

『働くということ』その5

ロナルド・ドーア著『働くということ』(中公新書)を読みながら考える、今日は第4章について。この本は5章までで終わりです。 4章の最初にこうある。 以上見てきたように、高度な技術を伴う市場経済システムにおいては、所得の不平等が拡大していく傾向は…

『サマリア』

韓国映画『サマリア』の公開がもう終わりそうなので、見に行った。 たまたま同じ映画館の隣のホールで『バンジー・ジャンプする』という韓国映画をやってたのだが、平日の昼間にもかかわらず立ち見が出そうな盛況であった。「韓流」恐るべし。 それに引き換…

『働くということ』その4

はじめに、第2章の内容で、きのう書き残していたことがある。 それは、労働の「社会的有用性」に関する話である。平たく言うと、どういう労働が社会的に価値があるとみなされ、また高い給料(報酬)をもらうに値すると考えられるかという基準の話。 これもち…

05年オークス回顧

エイシンテンダーはゴール前ほんとによく粘ってたんだけど、走法から見てやっぱり距離が合わなかったんだと思う。しかし幸四郎は思い切った乗り方をしたもんだ。 シーザリオは、パドックも飛びぬけてよかったけど、本当に強い。二、三着馬は、鞍上の力もある…

オークスにて「会稽の恥を雪ぐ」の巻

「みなみなに告げる。みなみなの凛々しき風貌に接し本懐の至りである。いまや秋天高く肥馬いななき勇む。正義のいくさに出るはこのときである。われらの敵は、畏くも一天万乗の君を波路はるかに筑紫に流し奉った。つづいて屋島に流し奉った。その敵を討てよ…

『働くということ』その3

前回に続き、ロナルド・ドーア著『働くということ』の、今日は第二章について。 第一章では、日本などの先進資本主義国における近年の労働の量的(時間的)な増大について論じられたが、第二章では労働の質的な変化が問題にされている。 70年代、アメリカや…

『働くということ』その2

おとといに続いて、ロナルド・ドーア著、『働くということ』を読みながら。 もともと読むのが遅い上に、雑事にかまけてなかなか読み進めない。 第二章までで印象的だったところをメモしておく。日本の最近の労働事情について。 最近では、前例を見ない失業率…

近年のダービーを振り返る

最近近所のスーパーで京都産の青とうがらしを売っていて、安いのでよく買って帰って夕飯のとき食べる。 普通はコチュジャンをつけるか、焼いて醤油をつけたりするのだろうが、ぼくは何もつけないで生でかじっている。十本ぐらい入ってるが、一度に全部食べて…

グローバル化と日本 ほんとに雑感

バイトの合間に読み始めたところなんだけど、中公新書から出たロナルド・ドーア著『働くということ』。働くということ - グローバル化と労働の新しい意味 (中公新書)作者: ロナルド・ドーア出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2005/04/25メディア: 新書購…

差別と怒り

時期遅れの言及となり恐縮だが、ときどき見せてもらっている「旗旗」さんの記事の中に、たいへん優れたものがあるのを発見した。http://hatahata.mods.jp/archives/2005/03/post_161.html他人から「在日」に間違えられたときの自分の感情の動きに対する内省…

国家の論理と日本の平和主義

12日付けの「安全と平和主義」と題したエントリーに、トラックバックをいただきました。http://sun.ap.teacup.com/sasa_an/39.html憲法9条の「戦争放棄」の思想についての、ぼくの解釈への違和感を述べられた後、 現憲法は、そのよりどころが国家や社会で…

緊急のお知らせ

明日17日火曜日、大阪での催しです。 某MLに告知があったので、こちらにも転載しておきます。 たぶん、すごく面白い。(以下転載) 『路(みち)』創刊記念シンポジウム 愛と希望の行方―ひきこもりとニートをめぐって―のお知らせです。 (重複受信の方すみませ…

当事者が社会運動することについて

最近、ぼくが見るブログ上でよく話題になっている『不登校は終わらない』という本は、まだ読んでいないし、そこから展開して「Freezing Point」さんで今書かれている「当事者」という問題のあり方についても、ぼくに言えることがなにかあるのか、分からなか…

安全と平和主義・反憲法

憲法についてきのう書いたが、もう少し補足しておきたい。 きのうの記事の「まとめ」の部分で書いたように、いまの日本の社会では、自分たちの生活の安全や、社会秩序の維持あるいは再建、また「国民」とか「日本人」といった集団的な自己同一性の強化といっ…

憲法について思うこと

昨日まで画面に表示されていたAとかRSSというマークが、いま見たら消えてたんだけど、どうしてだろう?面白いね。 以前にもトラックバックをいただいたことのあるhiroさんから、昨日書いたことへのTBをいただいた。 http://hiro551.exblog.jp/d2005-05-11ぼ…

産学提携・デリダ批判・映画会社考

断片的な感想を三つ。 ① JRの脱線事故が発生した直後、テレビにコメンテーターとして鉄道工学などを専攻する大学教授が何人も登場して、事故の原因について意見を述べていた。そのなかに何人か、「この人の発言はJR寄りではないか」と思われる人があった。 …

春の野遊び

この日曜日、二人の若い友だちと一緒に、京都と大津の境、いわゆる逢坂の関の跡に近いところに住んでいる友人一家を訪ねた。朝、来る途中に百貨店に寄って、グルジア産の赤ワインを土産に買い、ぶら下げていった。 友人の一家は、若い夫妻と、女の子の赤ん坊…

光州の思い出

同じハテナの、『三色スミレの成長日記』さんで詳しく紹介されているが、ぼくも『サマリア』という韓国映画を見たいと思っている。http://d.hatena.ne.jp/tatar/20050408#1112952072 この映画は、東京ではそろそろ公開が終わる頃ではないかと思うが、大阪で…

連休中の出来事

楠絶えず風生む母の日なりけり 今村俊三 きのう書いた、トラックバック送信の件ですが、分類をやり変えた際にトラックバック先のURLをはずさずに再登録したことが原因だと、思い当たりました。 完全にぼくの不注意です。 削除をお願いしようかとも考えました…

「在外」日本人ネットワーク

きのう、「カテゴリー」の分類をやり直したところ、他の方のサイトにあらためてトラックバックが送られたり、変なことになってしまったようです。 ご迷惑をおかけして申し訳ありません。 結局分類の方も、途中で途方にくれてしまい、中途半端なことになった…

若年雇用問題のTBへの感想

ぼくと同年齢であるというテルセキさんから、憲法についてと、若年無業者の問題についてと、二件、優れた記事のトラックバックをいただいた。http://answerplus.cocolog-nifty.com/freespace/2005/05/2_5d49.htmlhttp://answerplus.cocolog-nifty.com/freesp…

『日本人の法意識』その2 近代化の多数性と排除

「お気の毒です」 市長が言った。 「お気の毒なことですとも。それはそうと、当リーヴァの町に、このままとどまっておられるのですか」 「安心しな」 狩人は微笑を浮かべた。皮肉な口調をやわらげるように、市長の膝にそっと手を置いた。 「いまはここにいる…

『日本人の法意識』その1 憲法

前回書いた日本の競走馬の育成や管理のあり方の特殊性ということだが、これは考えてみると、日本の近代化の特殊性の反映としてとらえられよう。 早い話、競馬先進国、というよりも近代的な家畜化・生命管理の技術の先進国だった欧米では、馬という生き物を支…

社会のなかの動物と「人間」

近日の記事に、トラックバックやコメント、ブックマークなど、ありがとうございます。 フリーターや労働の問題、鉄道事故のこと、自分が生きている社会の姿というものを色々考えてしまいます。 実は、29日の催しのときに、神戸YWCAというところが作った「…